【エンディングノート】医療・介護の希望:最期を自分らしく迎えるための9つの準備
エンディングノートに記載する医療・介護の希望は、将来的に自分が病気やケガをした際にどのような治療や介護を望むかを明確にするための大切な情報です。
これにより、家族や医療関係者があなたの意思を尊重した判断を下しやすくなります。以下に、医療・介護の希望を具体的に記載する際のポイントを詳しく説明します。
1. 緊急時の対応
自分が急病や事故などで意識を失った場合に、どのような対応を望むかについて記載します。
救急搬送: 救急車での搬送を希望するかどうか。搬送先の病院に特定の希望がある場合、その病院名も記載。
蘇生措置(延命治療): 心肺蘇生法(CPR)、人工呼吸器の使用、心臓マッサージなどの延命措置を望むか、あるいは自然な死を受け入れるかの意思を明確にする。
2. 治療に関する希望
病気やケガの治療方針について、具体的な希望を記載します。
治療方針: 積極的な治療を望むか、痛みの緩和を重視した緩和ケア(ホスピスケア)を希望するかを記載。
特定の治療法や薬: 特定の治療法(手術、放射線治療、化学療法など)や薬について希望するもの、拒否するものがあれば明記。
第二の意見: 治療方法の決定に際して、他の医師からのセカンドオピニオンを求めるかどうか。
3. 介護に関する希望
将来、介護が必要になった場合にどのような介護を受けたいかについて記載します。
自宅介護 vs 施設介護: 自宅での介護を希望するか、介護施設への入所を希望するか。また、自宅介護の場合の具体的な支援方法(訪問介護、デイサービスなど)についても記載。
介護施設の選択: 施設介護を希望する場合、特定の施設名や地域、施設の条件(医療体制、環境、料金など)について希望があれば記載。
介護サービスの内容: どのような介護サービスを受けたいか、特に希望するサービス内容(食事、リハビリ、日常生活の補助など)を具体的に記載。
4. 認知症に関する対応
将来認知症を発症した場合の対応についても考えておくと良いでしょう。
意思決定の代理人: 自分が判断力を失った場合、誰に医療や介護の決定を任せたいかを指定。これには家族や信頼できる友人、または法的代理人を含むことができます。
治療・介護の希望: 認知症になった際にどのような治療や介護を望むか、特に記憶が薄れても尊厳が守られるようなケアを求めるかを明記。
5. 終末期医療に関する希望
自分の最期を迎える際にどのような医療を受けたいかについて、詳細に記載します。
終末期の治療: 終末期医療を受ける際、どの程度の医療介入を望むか。積極的な治療を希望するのか、自然な経過を尊重するのかを明確に。
ホスピスケア: ホスピスや緩和ケアを望む場合、その施設の希望やケア内容について記載。痛みの緩和、精神的な支援、家族との過ごし方についての希望も含める。
尊厳死: 自然な死を迎えたいかどうか、延命措置を控えるかどうかについて明記。また、尊厳死が認められる条件や方法についても記載すると良いでしょう。
6. 臓器提供に関する意思
自分が亡くなった際に、臓器提供を希望するかどうかについても記載します。
臓器提供の意志: 臓器提供を希望するかどうか、また提供する臓器の種類や提供先(国内外の提供ネットワークなど)についての希望を記載。
臓器提供の条件: 臓器提供を行う場合の条件(脳死後のみ、心停止後も含むなど)についても明記。
7. 代理人や家族への連絡先
医療・介護の決定に関与する可能性のある代理人や家族の連絡先を記載します。
医療代理人: 医療の意思決定を任せる代理人の氏名、連絡先、関係性。
家族や信頼できる人: 緊急時や治療方針の決定において連絡すべき家族や信頼できる友人の連絡先。
8. 医療・介護に関する費用の備え
治療や介護にかかる費用についても、どのように準備しているかを記載します。
医療保険・介護保険: 加入している保険の種類、保険金の支払い条件、保険会社の連絡先などを記載。
自己資金: 医療費や介護費用として準備している自己資金や、そのための口座情報。
公的支援: 公的な介護支援や医療費助成を受けるための手続きに関する情報。
9. エンディングノートの保管場所と見直し
エンディングノートは定期的に見直し、変更があれば記録を更新します。ノートの保管場所や、変更の都度通知する相手を決めておくと良いでしょう。
まとめ
これらの項目をしっかりと記載することで、家族や医療関係者があなたの意思を正確に理解し、尊重した対応を取ることができます。
特に、事故や病気で書くことやしゃべることが出来ず、自分の意志を伝えることが出来なくなってしまった場合に本項目は自分の意志を明確に示すことができる最後の方法です。
エンディングノートは、自分の人生の最期を自分らしく過ごすための大切なツールなので、後を濁さずに進めるなら絶対に書いておいてほしい項目です。