【デジタル終活】 終活 SNS アカウント削除 5社比較と違い
はじめに:終活に「SNS整理」が必要な時代に
近年では、終活といえば「財産やお墓」だけではなく、「デジタル遺品」の整理も当たり前になってきました。その中でも特に見落とされがちなのが、SNSアカウントの存在です。
Facebook、Instagram、X(旧Twitter)など、私たちの生活に根づいたSNSは、放置すると第三者に悪用されたり、個人情報が流出する危険があります。
この記事では、主要SNS5社の削除方法や違いを比較しながら、終活でどう準備すべきかをやさしく解説します。
なぜSNSアカウントを終活で削除するのか?
終活でSNSを削除する目的は、主に以下の3点です。
1. 遺族の負担を減らすため
アカウントが残ったままだと、通知が届いたり、知らない人からの連絡が来たりして、遺族が対応に追われることがあります。
2. 情報漏洩・悪用のリスク回避
SNSには写真や会話履歴、交友関係など多くの個人情報が詰まっています。放置すると、アカウントが乗っ取られて悪用される恐れも。
3. 故人の意思を反映できる
生前に「アカウントを削除してほしい」「思い出として残しておいてほしい」などの希望を表明しておくことで、家族が迷わずに済みます。
SNSごとの削除方法と特徴【主要5社比較】
終活で整理したい代表的なSNSを5つピックアップし、それぞれの削除方法や機能の違いを紹介します。
Facebook|追悼アカウント設定が可能
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削除方法:本人または遺族が申請(死亡証明書などが必要)
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特徴:生前設定で「追悼アカウント」に切り替えることが可能
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メリット:投稿や写真を残したまま、故人を偲ぶページとして活用できる
※追悼アカウントにすると「○○さんを偲んで」という表示になり、乗っ取りリスクも低下します。
Instagram|削除・追悼どちらも対応
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削除方法:遺族による申請制(死亡証明書が必要)
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特徴:追悼アカウントへの移行が可能(Facebookと連携)
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注意点:バックアップを取らないと投稿は完全に消えます
Meta社が運営しているため、Facebook同様の対応が期待できます。
X(旧Twitter)|削除のみ可能、追悼不可
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削除方法:遺族による申請制(証明書類が必要)
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特徴:追悼機能なし、完全削除のみ
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注意点:削除後は復元不可。データ保存は事前に行う必要あり
Xは他SNSに比べて「削除後の柔軟性」が低い点が要注意です。
LINE|遺族による削除不可
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削除方法:本人の端末からのみ
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特徴:家族による削除申請はできず、端末操作が必須
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代替策:
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スマホのロック解除
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アカウントのログアウト
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アプリごと削除
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LINEは「生前の共有・パスコード管理」がカギになります。
Googleアカウント(Gmail・YouTubeなど)|無効化ツールあり
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削除方法:本人または遺族が申請
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特徴:「アカウント無効化管理ツール」で生前に設定可能
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主な対象サービス:
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Gmail
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YouTube
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Googleフォト
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Googleドライブなど
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一定期間ログインがなければ、あらかじめ設定した家族や友人に通知が届きます。
SNS削除前にしておくべき準備【3つ】
アカウントを削除する前に、以下の準備をしておくと後悔が少なくなります。
1. バックアップを取る
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写真・動画・メッセージの保存
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Googleフォトやクラウドドライブに移す
思い出を消さずに整理できる方法です。
2. アカウントリストをまとめる
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使っているSNS一覧
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ログインID・メールアドレス
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削除方法の簡単なメモ
エンディングノートやメモ帳にまとめておきましょう。
3. 信頼できる人に伝えておく
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削除してほしいか残してほしいかの希望
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SNS以外のアカウント情報(Amazon、楽天など)も含める
突然のことに備えて、言葉で伝えるだけでも大きな助けになります。
家族がSNS削除を代行するには?
本人が生前に削除しなかった場合、家族が手続きをすることも可能です。一般的には以下の書類や情報が必要です。
必要な情報と書類
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故人の氏名・生年月日・アカウントID
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登録メールアドレス
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死亡証明書、戸籍謄本などの公的書類
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申請者との関係を証明できるもの(住民票など)
これらをSNS運営側に提出することで、削除申請が通る場合があります。時間や手間がかかるため、生前の設定が最もスムーズです。
アカウント削除後に起きることとは?
削除後の影響を理解しておくことで、「消してよかったのか」を判断できます。
削除の主な影響
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アカウント非表示、検索不可
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投稿・写真・メッセージがすべて消える
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SNSによっては一切復旧不可
「思い出として残したい」という場合は、削除ではなく「追悼設定」がおすすめです。特にFacebookではその選択肢が用意されています。
まとめ|終活におけるSNS整理のコツ
SNSは現代人の「もう一つの顔」。放置することで、家族や大切な人に思わぬ負担をかけてしまうことがあります。
ポイントをおさらい
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削除or追悼を選ぶ
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SNSごとの違いを理解する
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削除前にバックアップを取る
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アカウント一覧を記録しておく
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家族に希望を伝えておく
生前から整理しておくことで、「故人がどうしてほしかったか」が明確になります。SNSも含めたデジタル終活を始めてみませんか?