【介護・施設選び】終活で考えるグループホームの選び方|メリット・デメリットをわかりやすく解説
人生の最終章に向けて住まいをどう選ぶかは、終活における大切なテーマです。
その中でも認知症の方を対象とした「グループホーム」が注目されています。
この記事では、グループホームの基本的な情報から、実際に利用を検討する際に知っておきたいメリット・デメリットについて、わかりやすく解説します。
グループホームとは?終活で注目される理由
グループホームは、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送りながら、日常生活のサポートを受ける介護施設です。
正式名称は「認知症対応型共同生活介護」とされ、介護保険の対象サービスのひとつです。
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対象は認知症の要支援2または要介護1以上の方
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1ユニットは5〜9人の少人数制
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地域密着型サービスのため、原則として施設がある市区町村の住民が対象
家庭的な雰囲気の中で暮らしながら、認知症の進行を和らげ、日常生活をできる限り自分らしく送ることを目指します。
グループホームのメリット3つ
専門スタッフによる認知症ケアが受けられる
グループホーム最大の魅力は、認知症に対して深い理解を持ったスタッフが常駐していることです。
入居者一人ひとりの状態に応じたケアが24時間体制で行われます。
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会話や家事を通じた生活リハビリ
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季節の行事や回想法による刺激
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スタッフとの信頼関係による安心感
専門性の高い支援により、入居者が自分らしい生活を続けられる環境が整っています。
少人数制だから家庭的で落ち着ける
グループホームは少人数制のため、他の介護施設と比べて家庭的な雰囲気があります。顔なじみの入居者と日々を過ごし、スタッフとの距離も近いため、不安や孤独を感じにくい点が特徴です。
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入居者同士のコミュニケーションが生まれやすい
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食事やレクリエーションを一緒に楽しめる
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家庭のような穏やかな空間
人とのつながりが大切な認知症ケアにおいて、この環境は非常に有効です。
役割を持ちながら暮らせることで自立を促す
日常生活の中で、洗濯物をたたむ・お茶を入れる・花に水をあげるなどの軽作業に参加できる仕組みがあります。
「自分にできることがある」という自信が生活意欲につながり、結果として症状の安定にも寄与します。
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日々の生活に役割がある
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自立心を維持できる
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存在価値を感じられる環境
介護されるだけではなく、「自分でできることはする」という考え方が、グループホームの大きな特徴です。
グループホームのデメリット3つ
入居対象者が限られている
グループホームは誰でも入れるわけではありません。認知症の診断を受け、介護認定を持つ方が前提となります。
また、地域密着型の制度であるため、施設がある市区町村に住民票がある必要があります。
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認知症であることが条件
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要支援2または要介護1以上の認定が必要
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地元住民でなければ入居不可
このように、利用できる条件が限られている点は、事前にしっかり確認する必要があります。
費用負担が想定より高くなることも
グループホームの費用は、一般的に月額15万~25万円前後が目安です。
家賃、食費、介護保険サービスの自己負担、その他日用品費などが含まれます。
【月額費用の内訳例】
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家賃:3〜6万円
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食費:3〜5万円
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共益費・光熱費:1〜2万円
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介護保険サービス費(自己負担):1〜3万円
特別養護老人ホームなどと比べて費用がやや高い傾向があるため、経済的な負担を考慮する必要があります。
施設数が限られていて入居待ちがある
全国的にグループホームは増加傾向にありますが、施設数は限られており、人気の施設は空きが出るまで待つ必要がある場合もあります。
希望の地域での入居をスムーズに行うには、事前の見学や情報収集が重要です。
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地域ごとの施設数に差がある
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空きが出るまで数ヶ月待つことも
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早めの相談・予約が必要
複数の候補施設を調べ、柔軟に選択肢を持つことが求められます。
見学前に押さえておきたいチェックポイント
実際に入居を検討する際には、施設の見学が欠かせません。以下のようなポイントをしっかり確認しておきましょう。
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スタッフの人数と資格
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入居者の表情や雰囲気
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食事やレクリエーションの様子
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清掃状態と施設の清潔感
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契約内容(退去条件・料金の明細)
見学時は「この場所で自分が暮らせるかどうか」を想像しながら見て回るのが大切です。
パンフレットだけで判断せず、実際に雰囲気を体感しましょう。
まとめ|グループホームは終活における安心の選択肢
グループホームは、認知症の方が自分らしい生活を送るための有力な選択肢です。
家庭的で安心できる環境の中、専門的なケアを受けながら日々を過ごせるという点で、終活の一環として真剣に検討すべき施設といえます。
ただし、利用条件や費用の面で制約もあるため、情報収集は早めに始め、家族と相談しながら進めることが重要です。
見学を通じて、自分に合った場所を見つけ、納得のいく「終の棲家」を選びましょう。