【介護・施設選び】終活 グループホームとは?特徴と選び方5選
「終活」とは、人生の終わりに向けた準備を自分の意思で進めることを指します。
近年では、元気なうちに自分の希望する最期を考え、家族や周囲に迷惑をかけずに人生を締めくくるための取り組みとして広まっています。中でも大きなテーマとなるのが「どこで暮らすか」という住まいの問題です。
高齢になると、身体の自由がきかなくなったり、認知症の兆候が見られたりと、自立した生活が難しくなるケースも増えてきます。
そうした中で注目されているのが「グループホーム」です。
本記事では、グループホームとはどのような施設なのか、どんな特徴があるのか、そして自分に合ったグループホームの選び方まで詳しく解説していきます。
終活 グループホームとは?基本情報を解説
グループホームの定義と目的
グループホームとは、主に認知症の高齢者が少人数で共同生活を送りながら、日常生活をできる限り自立して営むことを目指す福祉施設です。
家庭的な雰囲気の中で生活できるよう、5〜9人程度の少人数グループ(ユニット)で生活することが特徴で、スタッフが24時間常駐して日々のサポートを行います。
厚生労働省が定める「地域密着型サービス」に該当し、認知症の進行を遅らせ、生活の質を高めることを目的としています。介護保険が適用されるため、経済的な負担を軽減しながら専門的なケアを受けることができます。
入居対象者と条件
グループホームに入居できる条件は明確に定められています。以下のような条件を満たしている必要があります。
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要介護認定で「要支援2」以上を受けている
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医師から「認知症」と診断されている
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施設がある市区町村に住民票がある(地域密着型のため)
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集団生活に支障がない程度の身体状態であること
また、入居前に本人とその家族との面談が行われ、生活歴や性格、希望などが細かく確認されます。
これは、施設の環境に合うかどうかを見極めるためでもあります。
終活 グループホームの特徴とは?
少人数制の共同生活
グループホーム最大の特徴は「少人数」であることです。通常、1ユニットにつき5〜9名という人数制限があり、それぞれが家庭のような空間で日常生活を送ります。
食事、洗濯、掃除といった家事も可能な範囲で自分たちで行うことが推奨されており、自立した生活をサポートする仕組みが整っています。
少人数であることで、職員の目も行き届きやすく、入居者一人ひとりに対するきめ細かなケアが実現します。
人間関係も密接になりやすく、安心感と信頼感を持って生活することができる環境です。
認知症ケアに特化した支援体制
グループホームは、特に認知症の高齢者に特化したケアを提供しています。
一般の老人ホームとは異なり、日々の生活の中で脳に刺激を与えるような工夫が施されているのが特徴です。
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簡単な料理を一緒に作る
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折り紙や塗り絵など手先を使う活動
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地域のイベントに参加する
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家族と連携した回想法や日記づくり
こうした活動を通して、認知症の進行を緩やかにし、本人の尊厳を保ちながら生活できるように支援されます。
終活 グループホームのメリット・デメリット
メリット:自立支援と安心の環境
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少人数で目が行き届きやすい
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アットホームな雰囲気で安心感がある
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認知症ケアに専門性がある
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地域とのつながりを大切にしている
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家族が参加できるイベントが多い
本人にとっても家族にとっても、安心して任せられる環境が整っている点が最大の魅力です。
デメリット:入居条件や費用の制約
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認知症でなければ入居できない
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施設の空きが少なく、順番待ちが発生する
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地域外に住んでいると入居できない
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一般の特養などに比べると費用はやや高め
平均的な費用は月額15〜20万円ほど(地域差あり)で、食費・光熱費・介護費などが含まれていますが、施設により大きく異なります。
終活 グループホームの選び方5選
1. 施設の立地と地域性
通いやすさや、住み慣れた地域で生活できることはとても重要です。家族が面会に来やすく、本人もストレスなく過ごせる場所を選びましょう。
2. スタッフの対応とケア体制
見学時にはスタッフの対応を観察しましょう。表情や言葉遣い、入居者との関係性に注目してください。人手不足が問題になっている現代、ケア体制の充実度は重要な指標です。
3. 入居者の生活スタイル
施設ごとに日常の過ごし方が異なります。レクリエーションや自由時間の有無、起床・就寝時間など、生活スタイルが自分に合っているかを確認しましょう。
4. 費用とサービス内容のバランス
月額費用の内訳を明確に提示してくれる施設を選びましょう。「介護費込み」「食費別途」など料金体系が異なるため、細かな比較が必要です。
5. 見学時のチェックポイント
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トイレや浴室の清潔さ
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廊下や共有スペースの広さと明るさ
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入居者の様子(表情や言葉づかい)
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食事内容や提供方法
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緊急時の対応体制
できれば複数の施設を見学し、家族とも相談して慎重に決定しましょう。
終活 グループホームを選ぶ際の注意点
契約内容の確認
契約書の内容はしっかりと読み込みましょう。特に注意すべきは以下の項目です。
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入居一時金の有無と返金条件
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サービスの範囲と追加料金
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医療連携体制(通院や看取り対応)
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退去時の条件と手続き
不明点は遠慮せずに質問し、納得してから契約を結ぶようにしましょう。
家族との連携と情報共有
入居後も家族の関与は非常に大切です。
定期的な面会や電話連絡だけでなく、スタッフとの面談を通じて、入居者の様子を共有し、必要なサポートを一緒に考えていきましょう。
まとめ:安心できる終の棲家を選ぶために
グループホームは、認知症の高齢者にとって「第二の我が家」ともいえる存在です。
家庭的な雰囲気と専門的なケア体制が両立された場所で、穏やかに過ごせる環境が整っています。
終活の一環として、「自分らしい最期」を考えることは、本人だけでなく家族にも安心をもたらします。
後悔のない選択ができるよう、早めに情報収集を始め、自分にぴったりの施設を探してみてください。