【供養・葬儀】終活に選ばれる自然葬とは?手続きと流れをわかりやすく解説
自然に還る選択肢「自然葬」
近年、人生の最期を迎える方法として「自然葬」に注目が集まっています。
お墓を建てる代わりに、自然の中で遺骨を還すというスタイルは、環境への配慮や家族への負担軽減という観点から、多くの人に選ばれるようになっています。
とはいえ、自然葬と聞いても
「どんな種類があるの?」
「どんな手続きが必要なの?」
「費用はどれくらいかかる?」
といった疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、終活の一環として自然葬を検討する方に向けて、自然葬の基本から具体的な手続きの流れまでを、できるだけわかりやすく丁寧にご紹介します。
終活における自然葬とは?特徴と考え方
自然葬とは、遺骨を自然に還すことを目的とした埋葬方法で、墓石や従来型のお墓を使わないのが特徴です。遺骨は粉骨処理された後、山林や海、樹木の下などに散骨・埋葬されます。
自然葬が選ばれる背景には、以下のような理由があります。
-
家族への負担を減らしたい
子や孫に墓の維持管理をさせたくないという思いがある。 -
環境に配慮したい
過剰な石材や土地使用を避け、自然環境と共生したいと考える。 -
宗教や形式にとらわれたくない
宗教儀式にこだわらず、自由な形で旅立ちたいという希望がある。
自然葬は、多様化する終活のニーズに合った、非常に柔軟な埋葬スタイルです。
自然葬の主な種類とそれぞれの特徴
自然葬にはいくつかのスタイルがあり、自分の価値観や遺族の希望に合わせて選ぶことが可能です。
樹木葬とは?
樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標とする埋葬方法です。専用の墓地や自然公園内にある区画に、粉骨した遺骨を埋葬します。樹木が成長することで、生命の循環を感じることができるのが特徴です。
-
永代供養付きの区画が多い
-
ペットと一緒に埋葬できるプランも存在
-
費用は20〜100万円程度が相場
自然との共生を重視したい方に特におすすめです。
海洋散骨とは?
海洋散骨は、遺骨を粉末状にして海に撒く方法で、「海に還る」というコンセプトが特徴的です。故人が海好きだった、旅が好きだったという理由で選ばれることが多い傾向にあります。
-
個別・合同散骨のプランがある
-
家族が立ち会う「チャーター散骨」も可能
-
費用は5〜30万円程度
実施には天候や地域の規制が影響するため、信頼できる業者の選定が重要です。
その他の自然葬の形式
樹木葬・海洋散骨以外にも以下のような形式があります。
-
宇宙葬:遺骨の一部を宇宙に打ち上げる方法。30万円〜100万円以上が相場。
-
山林葬:山の中に埋葬する方法。自治体の許可が必要。
-
風葬:風に乗せて散骨する。日本では現在ほとんど行われていません。
これらは特別な希望やシンボリックな意味を込めて選ばれることが多いです。
自然葬を行うまでの流れを解説
自然葬を行う際の基本的な手続きは、以下の5つのステップに分かれます。
1. 業者選びと無料相談
自然葬は法律や地域によって細かなルールがあるため、専門業者に相談するのが第一歩です。料金体系や実績、アフターサポートまでしっかり比較しましょう。
2. プランの選定と契約
希望する自然葬の種類(樹木葬・海洋散骨など)や予算、場所を決めて契約します。日程やオプションもここで確認されます。
3. 遺骨の粉骨処理
ほとんどの自然葬では、遺骨をパウダー状にする「粉骨」が必須です。業者が法的に適切な方法で処理します。
4. 散骨・埋葬の実施
契約プランに沿って、指定された場所で自然葬を実施します。家族の立ち会いが可能なプランも多く、最後のお別れの時間が設けられます。
5. 証明書や記念品の受け取り
散骨証明書や当日の写真、記念品などが後日送付されるケースもあります。形に残したい人にとっては安心のサービスです。
自然葬を進めるうえでの注意点
自然葬は自由度の高い葬送方法ですが、次の点には十分注意する必要があります。
-
散骨可能な場所か確認する
自治体によっては自然葬が制限されている場合があります。 -
親族の理解を得ておく
親族の中には、従来の墓を希望する方もいるため、事前の話し合いが大切です。 -
業者の信頼性をチェックする
価格の安さだけで選ばず、口コミや実績も確認することが重要です。 -
費用の内訳を明確にする
オプション料金がかかる場合があるため、見積書の確認を忘れずに。
まとめ:自然葬は現代に合った新しい選択
自然葬は、現代人のライフスタイルや価値観にマッチした、負担の少ない新しい埋葬方法です。
ポイントを振り返ると:
-
墓石のいらない自然回帰型の埋葬方法である
-
種類としては樹木葬・海洋散骨・宇宙葬などがある
-
専門業者を通じて、法律を守った形で行うことが重要
-
費用や手続き、家族との合意も忘れずに検討すること
終活のひとつとして、自分らしい最期の形を見つける一助となれば幸いです。