【デジタル終活】デジタル遺品7つの整理術
デジタル時代の終活が始まっています
終活とは、自分の人生の終わりに向けて身の回りを整理し、家族や大切な人に迷惑をかけないようにする活動です。
最近ではこの終活に、「デジタル遺品」の整理が新たに加わるようになりました。
デジタル遺品とは、スマートフォンやパソコンの中に残るデータやアカウント情報などのことを指します。
たとえば、LINEのメッセージ、クラウドに保存された写真、ネット銀行の口座、SNSのログイン情報などがそれにあたります。
「スマホのロックが解除できない」
「どのアカウントを持っていたのか分からない」
と、残された家族が困るケースは年々増えています。
今の時代に合った新しい終活として、デジタル遺品の整理は欠かせない作業になってきました。
終活におけるデジタル遺品とは?
パソコンやスマホの中にも“遺品”がある
昔は、遺品といえば写真や日記、通帳などの「目に見える物」でした。
しかし今は、スマホやパソコンが日常の一部になっています。
中には以下のような情報がたくさん詰まっています。
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メールやSNSの履歴
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写真や動画のアルバム
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ネットショッピングの購入履歴
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オンラインバンクの口座情報
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サブスクリプション(有料会員サービス)
これらは亡くなった後も残り続けるデータであり、適切な処理をしないと家族が苦労する原因になります。
家族が困る主なデジタル遺品の例
「どこに何があるのか分からない」という声が多いのが、次のようなデジタル遺品です。
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ロック解除できないスマートフォン
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放置されたサブスクの自動課金
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見つからないネット銀行の口座情報
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故人の名義で更新されるSNSアカウント
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クラウド上の大切な思い出データ
このような情報がバラバラに存在していると、家族は手のつけようがなくなるのです。
デジタル遺品整理の必要性と放置リスク
整理せずに放置するとどうなる?
デジタル遺品を整理しないまま放置すると、次のようなトラブルが発生するおそれがあります。
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有料サービスの料金が毎月引き落とされ続ける
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故人の口座が凍結され、財産を引き出せない
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親しい人の連絡先がわからず、重要な知らせができない
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仮想通貨などの資産を引き出せないまま消失
このような問題は、家族の金銭的・精神的な負担となってしまいます。
情報漏洩やなりすましの危険性も
さらに怖いのは、故人のアカウントが不正利用されるリスクです。
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SNSアカウントを乗っ取られて悪用される
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メールアドレスから詐欺メッセージが送信される
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仮想通貨アカウントを他人に操作される
こういったケースでは、家族が責任を問われることもあるため、事前の対策が非常に重要です。
終活で整理すべきデジタル遺品7つ
終活で整理しておきたい代表的なデジタル遺品を、以下に7つご紹介します。
① SNSやブログのログイン情報
X(旧Twitter)やInstagram、FacebookなどのSNSアカウントを整理しておきましょう。
ログインIDとパスワードを記録し、削除するか保存するかの希望も明記しておくと、家族が対応しやすくなります。
② ネット銀行・クレジットカード情報
銀行口座は紙の通帳がないことも多く、ネット銀行は特に家族が気づかない可能性があります。
カードの利用明細やネット銀行のログイン情報は、紙にまとめて保管するのが有効です。
③ スマホ・パソコンのロック解除方法
スマホやPCにロックがかかっていると、データにたどり着けません。
暗証番号や顔認証設定などは、信頼できる家族にメモで残すか、紙で保管するようにしましょう。
④ 写真や動画などの思い出データ
お孫さんの写真や旅行の思い出など、大切な画像や動画も、デジタル遺品の一つです。
外付けハードディスクやUSBメモリにコピーしたり、クラウドを使う場合はそのアカウント情報を記録しておきましょう。
⑤ 有料サブスクリプションの一覧
動画配信(Netflix・Huluなど)や音楽、新聞など、月額課金のサービスは意外と多いものです。
すべて解約しないとお金がかかり続けてしまうため、一覧表を作っておくのがおすすめです。
⑥ 仮想通貨やポイントサービス
ビットコインや楽天ポイントなども資産と見なされるものです。
どこの取引所を使っていたのか、どのサービスに登録していたかなどを、きちんと整理しておきましょう。
⑦ クラウドストレージやバックアップ情報
Google Drive、Dropbox、iCloudなどに保管されたデータも忘れてはいけません。
クラウドは見えないからこそ、残すか削除するかの判断を残された人に委ねないように準備しておきましょう。
整理のコツ|紙と信頼がカギです
情報は1か所にまとめて保管する
いろいろなメモやパスワードをバラバラにしてしまうと、探すだけで大変です。
A4用紙1枚で「デジタル情報一覧表」を作り、金庫や引き出しに入れておくのがおすすめです。デジタルとアナログの両方で保管するのが安心です。
信頼できる人にだけ教える
あまりにも多くの人に情報を渡してしまうと、悪用の危険もあります。家族の中でも、信頼できる1~2人に絞って伝えましょう。遺言書などに記載しておくのもひとつの方法です。
デジタル遺品整理を助けるサービスも活用
「自分では難しい」「手が回らない」という方には、専門業者のサポートもあります。
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デジタル遺品整理業者:スマホやPCのデータ復旧や消去
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葬儀会社:オプションとして整理サポートを提供
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行政サービス:高齢者向けに終活支援窓口を設置している地域もあり
費用は1万円~3万円程度が目安です。自治体の無料相談窓口も活用しましょう。
まとめ:今こそ“デジタルの終活”を始めましょう
人生の終わりを見つめて準備をすることは、大切な人たちへの思いやりです。
スマホやパソコンに残された情報も、自分がきちんと整理しておくことで、家族を安心させ、トラブルを避けられます。
「いつかやろう」ではなく、「今日から少しずつ」始めることが、やさしい終活への第一歩です。