【介護・施設選び】終活 在宅介護 メリット5つ|住み慣れた家で穏やかな看取りを
はじめに|終活で「どこで看取られたいか」を考える
近年、「終活」という言葉が広まり、自分らしい最期をどのように迎えるかを考える人が増えています。
そのなかでも、「住み慣れた家で最期を迎えたい」と希望する方は少なくありません。
自宅での看取りを可能にする方法の一つが「在宅介護」です。これは、家族の支援と介護保険サービスを活用して、自宅で安心して介護と医療を受けるスタイルです。
在宅介護には、本人だけでなく家族にとっても多くの利点があります。
この記事では、「終活」における在宅介護のメリットを5つに整理し、どのような準備が必要かもあわせて解説します。
終活 在宅介護のメリット①|住み慣れた我が家で安心して過ごせる
在宅介護の最大の魅力は、何と言っても「住み慣れた自宅」で暮らし続けられることです。
人は、長年暮らしてきた空間に安心感を覚えるものです。見慣れた風景、家具の配置、家族の声やにおい――こうした日常が心の安定につながり、認知症の進行を緩やかにしたり、うつ状態を軽減したりするケースもあります。
また、自宅で過ごすことで生活リズムを維持しやすく、食事や入浴の時間なども自由に設定できます。施設とは違い、個々のペースを尊重できる点が、在宅介護の大きな利点です。
さらに、自宅ならば近所付き合いや地域の行事に参加し続けられる可能性もあり、社会とのつながりが断たれる心配も少なくなります。
終活 在宅介護のメリット②|家族との時間をたっぷり持てる
施設に入ると、面会時間に制限があったり、日常的に触れ合う時間が取りづらくなる場合もあります。
しかし在宅介護では、家族が自由に関われるため、自然なかたちで多くの時間を共有できます。
たとえば、こんなメリットがあります。
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毎日の食事を一緒にとれる
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ささいな体調の変化にもすぐ気づける
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コミュニケーションが増えることで本人も安心
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小さなお孫さんとも自然にふれあえる
また、家族が積極的に介護に関わることで、本人の希望を細かく反映させやすくなり、後悔の少ない「看取り」へとつながります。
精神的な絆が深まることは、本人だけでなく、残される家族にとっても大きな意味を持つのです。
終活 在宅介護のメリット③|費用の負担を抑えやすい
在宅介護は、施設に比べて経済的な負担が軽減されやすいというメリットもあります。
施設に入所する際には、入居一時金や毎月の管理費、食費・光熱費などが発生します。一方で在宅介護は、必要な介護サービスだけを選んで利用する「部分的な支出」で済むため、全体的な費用を抑えやすいのです。
さらに以下の制度も活用できます。
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介護保険によるサービス利用(自己負担1〜3割)
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福祉用具レンタル・住宅改修制度(手すりや段差解消など)
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高額介護サービス費制度による月額負担上限設定
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地域包括支援センターでの無料相談と支援調整
限られた年金や貯金のなかで、介護を継続的に受ける必要がある高齢者にとって、費用面での選択肢が多いのは大きな強みです。
終活 在宅介護のメリット④|本人の意思を最大限に尊重できる
在宅介護では、本人の生活習慣や好み、介護への希望を尊重しやすいという特長があります。
施設介護では集団生活が前提であり、食事の時間や活動内容があらかじめ決められていることが多くあります。しかし、自宅では個々のライフスタイルに合わせて調整が可能です。
また、エンディングノートや事前指示書を用意しておくことで、以下のような「希望」が反映されやすくなります。
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好きな音楽や食事を日常に取り入れたい
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延命治療を望まない、自然な看取りを希望
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最期のときは家族に囲まれていたい
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宗教的な儀式を自宅で行いたい
在宅介護は、その人らしい人生の締めくくりを実現するために、もっとも柔軟で尊重に富んだ選択肢と言えるでしょう。
終活 在宅介護のメリット⑤|自宅で医療を受けながら看取りが可能
「在宅」と聞くと、医療的な対応に不安を感じる方もいるかもしれません。しかし現在では、医師や看護師が自宅に訪問してくれる「在宅医療」が充実しており、医療と介護を両立させた看取りも可能になっています。
在宅医療の具体的なサービスには以下のようなものがあります。
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訪問診療(定期的な医師の往診)
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訪問看護(点滴・排泄・緩和ケアなど)
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医療機器の貸与(在宅酸素・吸引装置など)
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24時間対応の医療機関との連携
とくに、がん末期や認知症の終末期には「緩和ケア」が重要です。本人が苦しまず、自然な形で最期を迎えるための支援が在宅でも受けられる体制が整いつつあります。
本人だけでなく、家族も医療スタッフの支えのもとで見送ることができ、心の準備がしやすい環境が生まれます。
在宅介護を支える準備と支援制度
在宅介護を実現するには、制度を正しく活用することが必要です。まずは「要介護認定」を受け、ケアマネジャーと一緒に介護計画(ケアプラン)を立てるところから始まります。
準備として重要なポイントは以下の通りです。
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ケアマネジャーとの連携(介護サービスの調整)
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福祉用具の導入(ベッド、手すり、スロープなど)
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バリアフリー化の住宅改修(段差の解消、トイレの手すり設置など)
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地域包括支援センターへの相談(無料)
また、家族の負担を軽減するために「ショートステイ」や「デイサービス」の利用もおすすめです。家族だけで抱え込まず、周囲の力を借りることが長く続けるコツです。
まとめ|在宅介護で実現する自分らしい終活
在宅介護は、住み慣れた家で、本人の意思を尊重しながら、家族に見守られて最期を迎えることを可能にします。
終活の一環としてこの選択肢を検討することは、本人の満足度だけでなく、家族にとっても「後悔の少ない看取り」を実現する助けとなります。
「家で看取ってあげたい」「自分は家で旅立ちたい」――そんな願いを叶えるために、早い段階から準備を始めてみてはいかがでしょうか。